ヤマハボルトで後悔しないために、購入を検討している方が知りたい情報を網羅的に解説します。
そもそもヤマハのボルトとはどんなバイクなのか、その魅力的な長所と注意すべき欠点について深く掘り下げていきます。
一部で不人気と言われる理由や、なぜ生産終了となったのか、その背景にも迫ります。
また、最大のライバルであるハーレーとの比較、上級グレードのRスペックの違い、人気のボバーといったカスタムの可能性にも触れていきます。
中古市場で車両を探す際のポイント、ロングツーリングにおける熱対策の重要性、そして250kgを超える車重の扱い方まで、この記事一つでヤマハボルトに関する全ての疑問が解決するでしょう。
この記事を読むことで、以下の点が明確になります。
- ヤマハボルトの具体的な長所と欠点
- 生産終了の背景や不人気と言われる本当の理由
- ハーレーとの違いやカスタムの方向性
- 後悔しないための購入時チェックポイント
ヤマハボルトで後悔?購入前に知るべき基本情報

- そもそもヤマハボルトとはどんなバイク?
- 指摘されるヤマハボルトの欠点
- ヤマハボルトならではの長所も多数
- 不人気と言われる理由を深掘り
- ライバルであるハーレーとの違い
- 上級モデルのRスペックとは?
そもそもヤマハボルトとはどんなバイク?

ヤマハボルトは、「Star original Bobber, Best for Urban Fun Ride!」というコンセプトを掲げて2013年に登場したクルーザーバイクです。
これは、ヤマハのクルーザーブランド「Star」シリーズの伝統を受け継ぎつつ、街乗りでの楽しさを最大限に追求したモデルであることを示しています。
心臓部には942ccの空冷60度Vツインエンジンを搭載。
このエンジンはフレームに直接固定するリジッドマウント方式を採用しており、エンジンの心地よい鼓動感をライダーにダイレクトに伝えます。
これにより、ただの移動手段としてではなく、乗ること自体が目的となるような楽しさを提供してくれるのです。
デザインは、無駄をそぎ落としたシンプルな「ボバースタイル」が特徴です。
短く切り詰められたフェンダーや、ソロシートを思わせるデザインは、華美な装飾を排した武骨な美しさを持っています。
このように言うと、非常に扱いにくいバイクを想像するかもしれませんが、実際には扱いやすさも考慮されており、幅広いライダーに受け入れられる素質を持った一台と言えるでしょう。
指摘されるヤマハボルトの欠点

ヤマハボルトは多くの魅力を持つ一方で、購入後に「後悔した」と感じる可能性があるいくつかの欠点も指摘されています。
これらを事前に理解しておくことは、ミスマッチを防ぐ上で非常に重要です。
まず、252kgという車両重量が挙げられます。
これはクルーザーとしては標準的ですが、力に自信のない方やバイクの取り回しに慣れていない方にとっては、駐輪時や狭い場所での方向転換が負担に感じられることがあります。
次に、乗り心地に関する点です。
ボバースタイルを追求した結果、リアサスペンションのストロークは短めで、路面の凹凸を拾いやすい傾向にあります。
シートも比較的硬めに設計されているため、特に長距離の移動ではお尻や腰に痛みを感じるという声も聞かれます。
また、941ccという排気量に対して最高出力は54馬力に抑えられています。
これは、例えばホンダのCB400SF(56馬力)と比較しても控えめな数値です。
力強いトルクによる加速感は楽しめるものの、高速道路での追い越しや最高速を求めるライダーには物足りなさを感じるかもしれません。
その他、燃料タンクの容量が13Lと少なめであることや、乗車姿勢によってはハンドルが遠く感じられること、足を下ろした際にステップが邪魔に感じることなど、細かな点がデメリットとして挙げられることがあります。
ヤマハボルトならではの長所も多数

前述の通り、いくつかの欠点が存在する一方で、ヤマハボルトにはそれを補って余りある長所も数多く存在します。
これらの魅力が、多くのライダーを惹きつけてきました。
最大の魅力の一つは、その美しいエンジンデザインです。
空冷Vツインエンジンに刻まれた冷却フィンは、機能的な役割だけでなく、金属の塊としての存在感と造形美を感じさせます。
特にフィンの一部に施された切削加工は、メーカーのこだわりが伝わる部分です。
エンジン性能に目を向けると、馬力は控えめながらもトルクは8.2kgf・mと非常に力強いです。
発進時や中速域での加速は鋭く、街中やワインディングロードではキビキビとした走りを楽しめます。
このトルクの太さは、タンデムや荷物の積載時にもパワー不足を感じさせない安心感に繋がります。
そして、690mmというクラスでも特に低いシート高は、大きなメリットです。
足つき性に不安がある小柄な方や女性ライダーでも、安心して大型バイクの走りを楽しめます。
この安心感は、信号待ちや渋滞時など、精神的な余裕にも繋がるでしょう。
何よりも、国産バイクならではの品質の高さと信頼性は大きな強みです。
故障のリスクが少なく、万が一の際もパーツの入手が容易で、維持費を比較的安く抑えることができます。
「ハーレーに憧れるけれど、維持や故障が心配」という方にとって、ボルトは非常に魅力的な選択肢となるのです。
不人気と言われる理由を深掘り

ヤマハボルトが「不人気」というキーワードで語られることがありますが、これは単純に人気がないというわけではなく、いくつかの理由が複合的に絡み合っていると考えるのが適切です。
最も大きな理由は、アメリカンバイク市場におけるハーレーダビッドソンの圧倒的な存在感です。
多くのライダーにとって「アメリカンバイク=ハーレー」というイメージが強く根付いており、ブランド力や所有欲を満たすという点で、ヤマハボルトが比較対象にされやすいのです。
言ってしまえば、本家と比べられる宿命にあると言えます。
また、近年のバイク市場のトレンド変化も影響しています。
より軽量でスポーティーなモデルや、多機能で長距離走行に適したアドベンチャーバイクに人気が集まる中で、クラシカルなクルーザーというジャンル自体の需要が以前より落ち着いている面があります。
デザインの好みも理由の一つでしょう。
ボルトのティアドロップタンクや一本出しのマフラーは、シンプルで洗練されていると感じる人がいる一方で、一部のユーザーからは「地味」「ダサい」といった厳しい評価を受けることもあります。
このように、評価が二極化しやすいデザインであることも、「不人気」という声が聞かれる一因かもしれません。
これらの理由から、爆発的な人気モデルというよりは、「わかる人にはわかる」玄人好みのバイクという立ち位置になっているのが実情と言えるでしょう。
ライバルであるハーレーとの違い

ヤマハボルトを検討する際、必ず比較対象となるのがライバルのハーレーダビッドソン、特にスポーツスターシリーズです。
両者には明確な違いがあり、どちらを選ぶべきかはライフスタイルや価値観によって大きく変わります。
比較項目 | ヤマハ ボルト | ハーレーダビッドソン スポーツスター (参考) |
---|---|---|
コンセプト | 日本製アメリカン | “本家”のアメリカンバイク |
価格 | 比較的リーズナブル | 高価になる傾向 |
信頼性・維持費 | 高い信頼性、維持費は安価 | 部品や工賃が高め、国産よりは注意が必要 |
エンジン特性 | スムーズで扱いやすいトルク感 | 独特の鼓動感(バイブレーション)と存在感 |
乗り味 | 軽快でスポーティーなハンドリング | 重厚で直線的な安定感 |
ブランドイメージ | 品質と性能のヤマハ | ライフスタイルや文化としてのブランド |
最大の魅力は、やはり価格と信頼性です。
ボルトはハーレーのエントリーモデルと比較しても新車・中古車ともに手頃な価格で手に入れることができ、日々のメンテナンスコストや万が一の修理費用も安く済みます。
これは、バイクライフを長く楽しむ上で大きなアドバンテージです。
性能面では、ボルトはスムーズで扱いやすいエンジン特性を持ち、街乗りからツーリングまでそつなくこなします。
一方、ハーレーはエンジンから伝わる独特の振動やサウンド、そして何物にも代えがたい存在感が魅力です。
結論として、コストを抑えつつ気軽にアメリカンスタイルを楽しみたい方や、国産の信頼性を重視する方にはヤマハボルトが適しています。
一方で、ブランド力や独特の乗り味、そしてアメリカンバイクという文化そのものを楽しみたい方には、ハーレーが魅力的に映るでしょう。
上級モデルのRスペックとは?

ヤマハボルトには、標準モデルのほかに「ボルト Rスペック」という上級仕様モデルが存在します。
両者の基本的な構造は同じですが、Rスペックは足回りと外装の一部をアップグレードすることで、よりスポーティーな走行性能と質の高い外観を実現しています。
Rスペックの主な特徴
- リザーバータンク付きリアサスペンション
標準モデルのサスペンションに比べ、路面からの衝撃をよりしなやかに吸収するリザーバータンク付きのリアサスを装備しています。
これにより、乗り心地が向上し、スポーティーな走行時の安定感も増しています。 - 切削加工ホイール
キャストホイールのリム部分に切削加工を施し、金属の質感を強調しています。
足回りが引き締まって見え、よりカスタムライクな印象を与えます。 - バックスキン調シート表皮
シートの表皮には、滑りにくく高級感のあるバックスキン調の素材を採用。
デザイン性だけでなく、ライディング中のホールド性向上にも貢献します。
2017年のマイナーチェンジ以降は、燃料タンクがより滑らかなデザインのフランジレスタイプに変更され、ABSも標準装備となりました。
標準モデルとRスペックのどちらを選ぶかは、個人の好みと予算によります。
より快適で安定した走りを求める方や、細部のデザインにこだわりたい方であれば、Rスペックを選ぶ価値は十分にあると言えるでしょう。
ヤマハボルトで後悔しないための具体的なポイント

- ヤマハボルトが生産終了したのはなぜ?
- 中古のヤマハボルトを選ぶ際の注意点
- ヤマハボルトはカスタムベースに最適
- 人気のボバースタイルカスタムについて
- ロングツーリングでの実用性と熱対策
- まとめ:ヤマハボルトで後悔しないために
ヤマハボルトが生産終了したのはなぜ?

ヤマハボルトが多くのファンに惜しまれつつ生産終了となった背景には、主に二つの大きな理由があります。
一つ目は、世界的に強化されている排出ガス規制への対応です。
近年、バイクにも自動車と同様に厳しい排ガス規制(日本では令和2年排出ガス規制、欧州ではユーロ5など)が適用されています。
ボルトに搭載されているような伝統的な空冷エンジンは、構造上これらの厳しい規制をクリアするのが技術的にもコスト的にも難しくなっています。
規制に対応させるためには大幅な設計変更が必要となり、それがボルト本来の魅力や価格を損なう可能性があったのです。
二つ目は、市場の需要の変化です。
前述の通り、バイク市場全体のトレンドが、軽量なスポーツモデルや多用途に使えるアドベンチャーモデルへと移行しています。
その中で、ボルトのようなクラシカルなクルーザーモデルの需要が相対的に減少したことも、生産終了という経営判断に繋がったと考えられます。
ただ、生産終了したからといって、バイクとしての価値がなくなったわけではありません。
むしろ、新車では手に入らなくなったことで、中古市場での人気が再燃する可能性も十分にあります。
根強いファンに支えられ、今後も長く愛され続けるモデルであることは間違いないでしょう。
中古のヤマハボルトを選ぶ際の注意点

生産が終了した現在、ヤマハボルトを手に入れるには中古車を探すのが唯一の方法です。
中古車は価格が魅力的な反面、車両の状態が個体によって大きく異なるため、購入時には慎重なチェックが欠かせません。
後悔しないために、以下のポイントを確認しましょう。
外観の状態
まずはバイク全体をよく見て、フレームやエンジンにサビや大きな傷がないかを確認します。
特にフレームのネック部分や下回りはサビが発生しやすい箇所です。
転倒による傷がないかも重要なチェックポイントで、ハンドルストッパーの傷や、レバー、ステップ、マフラーの擦り傷などを確認します。
エンジンと電装系
エンジンを実際にかけてもらい、異音がないか、スムーズに始動するかを確認します。
アイドリングが不安定でないかもチェックしましょう。
また、ヘッドライト、ウインカー、ブレーキランプなどの灯火類がすべて正常に点灯することも確認が必要です。
走行距離と消耗品
走行距離は一つの目安ですが、距離が少なくてもメンテナンスがされていなければ状態が悪いこともあります。
逆に、距離が多くても定期的にメンテナンスされていれば快調な車両も多いです。
タイヤの溝は十分残っているか、ブレーキパッドの残量はどうか、チェーンではなくベルトドライブなのでその状態も確認しておくと安心です。
メンテナンス履歴
可能であれば、過去の点検整備記録簿を確認させてもらいましょう。
オイル交換などの定期的なメンテナンスがしっかりと行われてきた車両は、信頼性が高いと言えます。
信頼できる販売店を選び、これらのポイントを自分の目でしっかりと確認することが、良い中古のヤマハボルトと出会うための鍵となります。
ヤマハボルトはカスタムベースに最適

ヤマハボルトの大きな魅力の一つが、その高いカスタムの自由度です。
元々のデザインが非常にシンプルなため、オーナーの好みに合わせて様々なスタイルに変化させることができます。
言ってしまえば、ボルトはオーナーの色に染めるためのキャンバスのようなバイクなのです。
特に人気なのは、ハンドル、マフラー、シートの交換です。
これらは比較的簡単に交換でき、バイクの印象を大きく変えることができます。
- ハンドル
ハンドル位置を手前に引くことで、よりリラックスしたポジションにしたり、低いものに交換して攻撃的なスタイルにしたりと、乗り心地と見た目の両方を調整できます。 - マフラー
ノーマルマフラーは静かでジェントルなサウンドですが、社外品に交換することで、Vツインらしい迫力あるサウンドと見た目の変化を楽しめます。 - シート
デザイン性の高いソロシートに交換したり、乗り心地を重視したクッション性の高いシートにしたりと、目的応じて選べます。
これらの基本的なカスタム以外にも、フェンダーを交換したり、エアクリーナーを変えたりと、パーツの選択肢は純正品からサードパーティ製まで非常に豊富です。
海外メーカーのパーツも多く流通しているため、他の人とは違う自分だけの一台を作り上げる楽しみがあります。
初心者でも、まずはハンドルグリップの交換やサイドバッグの取り付けといった簡単なカスタムから始めることで、バイクへの愛着がより一層深まるでしょう。
人気のボバースタイルカスタムについて

ヤマハボルトのカスタムの中でも、特に人気が高く親和性のあるスタイルがボバーカスタムです。
ボルトは元々メーカー自身が「ボバー」をコンセプトに掲げているため、少し手を加えるだけで非常に完成度の高いスタイルを構築できます。
そもそもボバースタイルとは、1940年代頃のアメリカで流行したカスタム手法で、ダートトラックレースの車両を起源に持ちます。
その特徴は、走行に不要なパーツを徹底的に取り外し(bobbed)、車体を軽量化・スリム化することにあります。
具体的には、フロントフェンダーを取り外したり、リアフェンダーを短く切り詰めたりといった手法が代表的です。
ボルトをボバースタイルにカスタムする場合、以下のようなパーツ交換が一般的です。
- ソロシート
タンデムを考えない潔いソロシートは、リア周りをスッキリ見せるボバーの基本です。 - ショートフェンダー
リアフェンダーを短いものに交換することで、タイヤの存在感を強調し、軽快な印象を与えます。 - サイドナンバー
ナンバープレートを車体の横に移設することで、リアビューをよりシンプルに見せることができます。 - ファットタイヤ
幅の広いタイヤを装着することで、武骨で力強いイメージを強調します。
これらのカスタムを施すことで、ヤマハボルトは元々の魅力をさらに昇華させ、クラシックでありながら現代的な、洗練されたボバースタイルへと生まれ変わります。
ロングツーリングでの実用性と熱対策

ヤマハボルトでロングツーリングは可能なのか、という疑問を持つ方も多いでしょう。
結論から言うと、いくつかの点を工夫すれば十分に楽しむことができます。
まず燃費性能ですが、オーナーのレビューを見るとリッターあたり20〜25km程度走ることが多いようです。
燃料タンク容量は約13リットルなので、満タンで250km前後の航続距離となります。
長距離を走る際は、200kmを目安に早めの給油を心がけると安心です。
乗り心地に関しては、前述の通り硬めのサスペンションとシートが長距離では体に負担をかける可能性があります。
これを改善するために、社外品の乗り心地の良いシートに交換したり、サスペンションのセッティングを調整したりするのが効果的です。
また、積載性はほぼ無いに等しいため、サイドバッグやシーシーバー、キャリアなどを取り付けて荷物を積めるようにする工夫は必須と言えるでしょう。
そして、特に夏場のロングツーリングで重要になるのが熱対策です。
空冷Vツインエンジンは、構造上エンジンからの熱がライダーの足元、特に内ももあたりに直接伝わりやすくなっています。
渋滞にはまると、その熱はかなりのものになります。
これを軽減するためには、エンジンガードやヒートシールドといったパーツを取り付けるのが有効です。
また、通気性の良いライディングパンツや、断熱性に優れたレザーパンツを着用するなど、服装で対策することも重要です。
これらの対策をしっかりと行うことで、夏のツーリングも快適に楽しむことができるようになります。
まとめ:ヤマハボルトで後悔しないために

この記事の要点をまとめます。
ヤマハボルトで後悔しないために、これらのポイントを総合的に判断して、あなたのバイクライフに最適な一台かを見極めてください。
- ボルトは街乗りを楽しむために設計されたボバースタイルのバイク
- 主な欠点は車重、硬い乗り心地、やや控えめな馬力
- 美しいエンジン造形や力強いトルク、足つきの良さが長所
- 不人気と言われる背景にはハーレーの存在と市場の変化がある
- ハーレーとの違いは価格、信頼性、ブランドイメージ
- Rスペックは足回りを強化した上級モデル
- 生産終了の主な理由は排ガス規制と需要の変化
- 中古車選びは外観、エンジン、消耗品の状態を要チェック
- シンプルな構造でカスタムの自由度が非常に高い
- ボバースタイルカスタムとの親和性が抜群
- ロングツーリングは積載や乗り心地の工夫で快適になる
- 夏場の走行ではエンジンからの熱対策が重要
- 車重は250kgを超え取り回しには慣れが必要
- 国産ならではの品質と信頼性、維持費の安さは大きな魅力
- 最終的には自分の用途やスタイルに合うかを考えることが最も重要
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