ヤマハMT-09の購入を検討しているものの、「買ってから後悔したくない」という不安を抱えていませんか。
インターネット上では、MT-09に関する後悔の声や、やばい速すぎる、乗りにくいといった評判を目にすることがあります。
また、長距離走行では疲れる、燃費が悪い、刺激に慣れて飽きた、といった具体的な欠点が気になる方もいるでしょう。
さらに、中古での購入を考えている場合は、特有の持病やおすすめの年式がいつなのか、という点も重要な判断材料になります。
MT-09 SPとの違いや、より扱いやすいとされるMT-07との比較、効果的なカスタム方法など、知りたい情報は多岐にわたるはずです。
この記事では、そうしたあなたの様々な疑問や不安を解消するため、MT-09で後悔しないための情報を網羅的に解説していきます。
この記事を読むことで、以下の点が明確になります。
- MT-09の具体的な後悔ポイントとその理由
- 年式やSPモデルとの違い、自分に合った選び方
- 購入後に快適性を向上させるカスタムや対策
- MT-09が本当に自分に合うバイクかどうかの判断基準
MT-09で後悔する前に知るべき評判

MT-09は多くのライダーを魅了する一方で、その個性的な特性が「後悔」につながることもあります。
ここでは、購入後に「思っていたのと違った」と感じやすいポイントを、様々な評判を基に解説します。
- 乗りにくい?やばい速すぎるパワー
- 知っておきたい持病や欠点はある?
- 長距離ツーリングは疲れるって本当?
- 刺激的すぎて飽きたという声もある
- 意外と良くない?MT-09の燃費事情
- MT-07との比較でわかること
乗りにくい?やばい速すぎるパワー

MT-09が乗りにくいと言われる最大の理由は、そのエンジン特性にあります。
3気筒エンジンが生み出す強烈なトルクは、スロットルを開けた瞬間に車体を力強く押し出します。
この「やばい速すぎる」と評されるほどのパワー感は大きな魅力ですが、街乗りなどの低速域では逆に扱いにくさの原因となる場合があります。
特に、スロットル操作に慣れないうちは、発進や低速走行でギクシャクしてしまうことが多いようです。
2021年モデル以降は電子制御スロットルが採用されていますが、一部のライダーからは「開け始めが敏感すぎる」との声も聞かれます。
また、有り余るパワーは、日本の公道ではその性能をすべて使い切ることが難しいという側面も持ち合わせています。
エンジンが最も気持ちよく回る「パワーバンド」を維持しようとすれば、あっという間に制限速度を超えてしまうため、常にパワーを抑えながら走ることにストレスを感じる人もいるようです。
以上の点を踏まえると、MT-09のパワーは、経験豊富なライダーにとっては刺激的な楽しさの源泉ですが、バイク初心者やリターンライダーにとっては、慣れるまで少し時間が必要な要素と言えるでしょう。
知っておきたい持病や欠点はある?

MT-09は魅力的なバイクですが、オーナーだからこそ分かる持病や欠点も存在します。
これらを知っておくことは、購入後の満足度を左右する大切なポイントになります。
多くのオーナーが指摘する点の一つに、初期型(~2016年)のサスペンション設定が挙げられます。
ノーマルの状態では柔らかすぎると感じる人が多く、特にコーナリング中の安定感に物足りなさを覚えることがあるようです。
この点は後のモデルチェンジで改善されています。
デザイン面では、近未来的でスリムなスタイルが評価される一方で、テール周りのデザインが貧相に感じられるという意見があります。
また、メーターパネル、特にタコメーターの表示が小さく、走行中に視認しづらいという声も少なくありません。
機能面では、ヘッドライトの配光にムラがある、特にLEDバルブに交換した際にハイビームの視認性が悪化するという指摘があります。
また、ハンドルの切れ角がやや小さいため、狭い場所でのUターンなどでは少し気を使う場面があるかもしれません。
燃料がハイオク仕様である点も、ランニングコストを考える上では注意が必要です。
これらの点は致命的な欠陥というわけではありませんが、MT-09というバイクの個性として理解した上で購入を検討することが、後悔を避ける鍵となります。
長距離ツーリングは疲れるって本当?

MT-09で長距離ツーリングは疲れる、という声は実際に多く聞かれます。
その主な理由は、バイクの形状とライディングポジションにあります。
MT-09は、走行風からライダーを守るカウルやスクリーンが標準装備されていない「ネイキッド」というカテゴリーのバイクです。
そのため、高速道路などを一定の速度で巡航していると、風圧を体全体で受け止めることになり、特に100km/hを超えるとかなりの体力を消耗します。
また、ライディングポジションはやや前傾姿勢ではあるものの、スーパースポーツほど深くはありません。
これがワインディングでは軽快な操作感につながりますが、長時間同じ姿勢を続けると腰や腕、お尻に負担がかかりやすくなります。
特に、シートが硬めであると感じるライダーも多く、長時間の乗車でお尻が痛くなるという意見は定番の悩みと言えるでしょう。
これらの理由から、「ワインディングを走るのは最高に楽しいけれど、そこへたどり着くまでの高速道路がつらい」と感じるオーナーは少なくないようです。
もちろん、これはMT-09に限った話ではなく多くのネイキッドバイクに共通する特性ですが、ツーリング性能を最優先に考えるのであれば、この点は十分に考慮する必要があります。
刺激的すぎて飽きたという声もある

「刺激的すぎて飽きた」というのは、一見すると矛盾しているように聞こえるかもしれません。
しかし、これはMT-09のパワフルな特性を的確に表した、一部のオーナーの本音でもあります。
MT-09の魅力は、前述の通り、スロットルを開けるたびに感じられる強烈な加速感です。
購入当初は、この暴力的なまでのパワーに誰もが夢中になります。
しかし、日常的に乗るうちに、その刺激に慣れてしまう、あるいは常にパワーを持て余す状況に一種の物足りなさを感じて「飽きた」という心境に至ることがあるのです。
例えば、街乗りや下道をのんびり観光するようなシチュエーションでは、MT-09の有り余るパワーは必要ありません。
むしろ、エンジンの性能を使い切って走る楽しさは、より排気量の小さいバイクの方が見出しやすい、と感じるライダーもいます。
バイクは単なる移動手段ではなく、操ること自体を楽しむ乗り物です。
その観点から、常に性能の数パーセントしか使えない状況が続くと、バイクとの一体感や「乗りこなしている」という満足感が得にくくなり、結果として興味が薄れてしまうケースがあると考えられます。
意外と良くない?MT-09の燃費事情

MT-09の購入を検討する際、燃費も気になるポイントの一つです。
パワフルなエンジンを搭載しているだけに、燃費性能については事前に把握しておくのが賢明です。
公式に発表されているWMTCモード値でのカタログ燃費は、現行モデルで20.4km/Lとなっています。
しかし、実際の燃費、いわゆる実燃費はオーナーの乗り方や走行環境によって大きく変わるのが実情です。
多くのオーナーレビューを見ると、街乗りメインの場合は15km/L前後に落ち着くことが多いようです。
ツーリングなどで比較的スムーズに走行できる状況であれば、20km/L近くまで伸びることもありますが、カタログスペックを常に期待するのは難しいかもしれません。
特に、MT-09の楽しい加速感を頻繁に味わっていると、燃費は悪化する傾向にあります。
また、燃費と合わせて考慮したいのが、エンジンの発熱です。
排気量が大きいエンジンなので、特に夏場の渋滞路などではかなりの熱を発します。
信号待ちで足元に熱気を感じることは、大型バイク全般に言えることですが、MT-09も例外ではありません。
これらのことから、燃費や夏場の快適性を最優先する使い方には、必ずしも最適なバイクとは言えない側面も持ち合わせています。
MT-07との比較でわかること

MT-09とよく比較される対象として、同じヤマハのMTシリーズであるMT-07が挙げられます。
この2台を比較すると、MT-09のキャラクターがより鮮明になります。
最大の違いはエンジンです。
MT-09が3気筒エンジンを搭載しているのに対し、MT-07は2気筒エンジンです。
これにより、乗り味に明確な差が生まれます。
比較項目 | MT-09 | MT-07 |
---|---|---|
エンジン | 3気筒 | 2気筒 |
乗り味 | 鋭くパワフル、高回転域で伸びる | 鼓動感があり、中低速トルクが豊か |
パワー感 | 刺激的で過激 | マイルドで扱いやすい |
車体 | 軽量だがパワーがあるため慣れが必要 | より軽量で軽快、初心者でも安心 |
主な用途 | ワインディング、スポーツ走行 | 街乗り、ツーリング |
言ってしまえば、MT-09は刺激とパフォーマンスを追求するライダー向けのバイクです。
一方、MT-07はより幅広いライダーに受け入れられる、フレンドリーさと扱いやすさを重視したキャラクターと言えます。
もしあなたが、バイクに対して過激なほどの速さやスリルよりも、日常での扱いやすさや心地よい鼓動感を求めるのであれば、MT-07の方がフィットする可能性があります。
逆に、非日常的な刺激や突き抜けるようなパワー感を最優先するならば、MT-09がその期待に応えてくれるでしょう。
どちらが良いというわけではなく、ライダーがバイクに何を求めるかによって、最適な選択は変わってくるのです。
MT-09で後悔しないための対策と判断基準

MT-09の持つ個性的な側面を理解した上で、それでもなお魅力を感じる人も多いはずです。
ここでは、購入後に後悔しないために、具体的な対策やモデル選びの判断基準について掘り下げていきます。
- MT-09 SPとの違いと選び方
- おすすめの年式とモデルチェンジの歴史
- 中古で買うなら注意したいポイント
- カスタムで弱点を克服できるのか
- まとめ:MT-09で後悔しないために
MT-09 SPとの違いと選び方

MT-09には、上級グレードである「MT-09 SP」が存在します。
スタンダードモデルとの価格差に悩み、どちらを選ぶべきか迷う人も少なくありません。
SPモデルを選ぶべきかどうかの判断は、あなたのライディングスタイルや価値観にかかっています。
両者の最も大きな違いは、サスペンションの性能とクルーズコントロールシステムの有無です。
比較項目 | MT-09(スタンダード) | MT-09 SP |
---|---|---|
フロントサス | KYB製倒立フォーク | KYB製プレミアムサスペンション |
リアサス | KYB製モノショック | ÖHLINS(オーリンズ)製モノショック |
クルーズコントロール | なし | あり |
特徴 | 十分な性能を持つが、標準的な設定 | より高品質で細かな調整が可能、路面追従性が高い |
価格 | 相対的に安い | 相対的に高い |
SPモデルに搭載される前後サスペンションは、より高品質で、路面からの衝撃をしなやかに吸収し、タイヤの接地感を高めてくれます。
この恩恵を最も感じられるのは、ワインディング走行時です。
コーナーをリズミカルに駆け抜ける際の安定感や操作性は、スタンダードモデルを上回ると言われます。
一方、街乗りや直線の多い高速道路を淡々と走るだけであれば、その差を体感しにくいかもしれません。
ただ、SPに搭載されるクルーズコントロールは、高速道路での巡航が多いライダーにとっては疲労軽減に繋がる便利な機能です。
結局のところ、SPモデルは「走りの質」にこだわるライダーや、所有する喜びに価値を見出す人向けの選択肢と言えます。
オーバースペックと感じるかどうかは人それぞれですが、少しでも走りに妥協したくない、後で後悔したくないと考えるなら、SPモデルを選ぶ価値は十分にあるでしょう。
おすすめの年式とモデルチェンジの歴史

MT-09は2014年の登場以来、数回のモデルチェンジを経て進化してきました。
どの年式を選ぶかによって、デザインや性能、乗り味が異なるため、自分の好みに合ったモデルを見つけることが後悔しないためのポイントです。
大まかに分けると、以下の3世代に分類できます。
初代(2014年~2016年)
「The Dark Side of Japan」というコンセプトで鮮烈なデビューを飾ったモデルです。
最も尖った過激な乗り味を持つとされ、電子制御も最小限でした。
サスペンションが柔らかいという評価もありますが、荒々しい魅力を好む一部のファンからは根強い人気があります。
価格がこなれているため、コストを抑えてMT-09の世界を体験したい人には良い選択肢です。
2代目(2017年~2020年)
フロントマスクが2眼のLEDヘッドライトに変更され、よりアグレッシブなデザインになりました。
このモデルからアシスト&スリッパークラッチやクイックシフトシステム(アップのみ)が採用され、トラクションコントロールも搭載されるなど、より扱いやすく、安全性が高められています。
初代の荒々しさを残しつつ、現代的な装備を手に入れたバランスの取れたモデルです。
3代目(2021年~現在)
フレームからエンジンまで全てを刷新したフルモデルチェンジを果たしました。
排気量が845ccから888ccへアップし、よりトルクフルになっています。
最大の進化は電子制御で、6軸IMUを搭載したことにより、コーナリング中にも機能するトラクションコントロールやスライドコントロールなど、スーパースポーツモデル並みの高度な支援を受けられるようになりました。
最も洗練され、安全かつ速いMT-09ですが、「電子制御が介入しすぎて機械的な楽しさが薄れた」と感じる人もいます。
おすすめの年式は、何を重視するかで変わります。
- コストと荒々しさを求めるなら初代
- デザインと性能のバランスを求めるなら2代目
- 最新の性能と安全性を求めるなら3代目
このように、それぞれの年式の特徴を理解し、自分のライディングスタイルや好みに合わせて選ぶことが大切です。
中古で買うなら注意したいポイント

MT-09を中古で手に入れようと考える場合、いくつか注意したいポイントがあります。
新車よりも安価に購入できるメリットは大きいですが、車両の状態をしっかり見極めないと、結果的に高くついてしまう可能性があります。
まず確認したいのは、車両の年式と走行距離です。
前述の通り、MT-09は年式によって装備や特性が異なります。
自分がどの世代のモデルを求めているのかを明確にしてから探し始めましょう。
走行距離は少ないに越したことはありませんが、距離が伸びていても定期的なメンテナンスがしっかり行われていれば問題ないケースも多いです。
重要なのは、メンテナンスの履歴です。
オイル交換やタイヤ交換はもちろん、サスペンションのオーバーホールなど、費用のかかるメンテナンスが適切に行われてきたかを確認できる記録(メンテナンスノートなど)があると安心材料になります。
また、MT-09はパワフルなバイクであるがゆえに、前オーナーがどのような乗り方をしていたかが車両の状態に大きく影響します。
例えば、過度なウィリー走行などを繰り返していた車両は、フレームやステアリング周りに見えないダメージを負っている可能性も否定できません。
転倒歴の有無も必ず確認しましょう。
カウルやマフラーの傷だけでなく、ハンドルストッパーやステップ周りの傷もチェックのポイントです。
中古相場は現行型(2021年~)で90万円以上、先代モデルでも70万円台からと、比較的人気が高いため価格は高値で安定しています。
焦って安価な車両に飛びつくのではなく、信頼できる販売店で、車両の状態をしっかり説明してもらい、納得した上で購入することが、中古バイクで後悔しないための最も確実な方法です。
カスタムで弱点を克服できるのか

MT-09のいくつかの欠点や不満点は、カスタムパーツを導入することで大きく改善できる可能性があります。
ノーマルの状態で不満を感じたとしても、自分好みに乗り味を調整していく楽しみがあるのも、このバイクの魅力の一つです。
乗り心地と足つきの改善
ノーマルのサスペンションに硬さや動きの渋さを感じる場合は、サスペンションのセッティング調整が有効です。
まずは自分の体重や走り方に合わせてプリロードや減衰力を調整してみましょう。
それでも満足できない場合や、より高品質な乗り心地を求めるなら、「オーリンズ」や「ナイトロン」といった社外品のサスペンションに交換するのも一つの手です。
また、足つきに不安がある場合は、シート高を下げる「ローダウンリンク」や、足つき性を考慮して設計された社外品の「ローシート」に交換することで、停車時の安心感を高めることができます。
ツーリング性能の向上
長距離ツーリングでの大きな悩みである風圧は、スクリーンの装着で大幅に軽減できます。
「プーチ」や「MRA」といったメーカーから、様々なデザインやサイズのスクリーンが販売されており、見た目の印象を変えずに防風効果を高めることが可能です。
また、ポジションが合わずに腰や腕が疲れる場合は、ハンドルバーの交換を検討してみましょう。
純正よりも少し高く、手前に来るタイプのハンドルに交換するだけで、ライディングポジションが楽になり、疲労が軽減されることがあります。
このように、MT-09はカスタムパーツが豊富に流通しており、自分の弱点と感じる部分を補っていくことが可能です。
最初から完璧なバイクを求めるのではなく、自分仕様に育てていくという視点を持つことも、MT-09と長く付き合うための秘訣かもしれません。
まとめ:MT-09で後悔しないために

ここまでMT-09に関する様々な情報を見てきました。
パワフルで刺激的な魅力がある一方で、乗り手を選ぶ側面も持ち合わせていることがお分かりいただけたかと思います。
最後に、MT-09で後悔しないための重要なポイントをまとめます。
- MT-09は強烈なトルクが魅力であり後悔の原因にもなる
- 低速域ではスロットルが敏感でギクシャクしやすい
- ネイキッドのため高速巡航の風圧は強い
- 長距離ではポジションやシートの硬さで疲れやすい
- 実燃費は15km/L前後で夏場はエンジンの熱が気になる
- 刺激的な乗り味に慣れると飽きたと感じる人もいる
- 年式によって乗り味や装備、持病の傾向が異なる
- SPモデルは足回りとクルーズコントロールが主な違い
- サスペンションの良さは特にワインディングで真価を発揮する
- 2021年以降のモデルは電子制御が大幅に進化し安全性が高い
- 中古市場でも人気が高く価格は高値で推移している
- 中古車選びではメンテナンス履歴の確認が鍵となる
- スクリーンやシートのカスタムで快適性は大きく向上できる
- サスペンションの調整や交換で乗り心地の改善が可能
- 購入前には必ず試乗して自身の感覚で特性を確かめるべき